毎月、25日前後(末締めの翌15日払い)に年金機構より送付される社会保険料の納入告知書によって、社会保険料を納付しています。前月に発生した社会保険料を翌月末までに支払います。例えば12月給与(1月15日支給)で発生した社会保険料は、1月25日前後に納入告知書が届きますので、末までに支払うこととなります。この納入告知書に記載された社会保険の納付金額のチェックの仕方について説明します。年金機構から届く「納入告知書」に記載される納付金額に間違えはありませんので、チェックせずにそのまま支払っても問題ありませんが、このチェックによって「法定福利費計算書(自作)」が間違えない事、そして給与計算に間違えがない事を担保しています。「法定福利費計算書(自作)」は、毎月の個人毎の給与明細書の社会保険料を計算・集計したものである為、給与一覧表(給与システム)と「納入告知書」の納付金額と一致しなければなりません。つまり、ここで差額が発生した場合には、例えば社会保険料率の違い、月変等による標準報酬月額の違い、入退社(産休も含め)の手続きのづれ等が考えられますので、その原因を追究します。
社会保険料のチェック
チェックシートの構成
納入告知書(社会保険料の納付金額)のチェックを行う場合は、以下のようなチェックシートを使ってチェックします。
構成
- 1枚目・・・表紙
- 2枚目・・・チェックシート
- 3枚目・・・法定福利費計算書(給与)
- 4枚目・・・法定福利費計算書(賞与)→年2回、6月と12月のみ発生
注意:
ケーススタディ2では、2020年12月分の納入告知書のチェックを例としていますので、「法定福利費計算書」は、賞与分と給与分の2枚となっていますが、通常のケーススタディ1では、給与分のみとなります。
チェックの仕方
「法定福利費計算書(給与)」及び「法定福利費計算書(賞与)」の額をチェックシートに転記して、差がない事を確認します。
留意:
社会保険料納入告知書と、1円の誤差が発生することがあります。原因は、法定福利費計算書では給与明細書に合わせる為、健康保険と介護保険をそれぞれで計算していますが、社会保険料納入告知書では、健康保険の中に介護保険を含めて計算している為に、端数処理で1円の差額が出ているようです。支払いは、納入告知書に記載された額で行いますので全く問題はありませんが、ご留意願います。
ケーススタディ1
チェックシートの作成
ここでは、12月25日に届いた「社会保険料納入告知書(11月分)」を例として、チェックの方法を説明します。
既存チェックシートの流用
①既存チェックシートのコピー
新たにチェックシートを1から作成するのではなく、既存のチェックシートをコピーし、内容を変えて作成します。今回の社会保険料納入告知書は、前月の10月度のチェックシートを流用します。(デスクトップにコピーして抜き出して、修正します。)
注意:毎月のチェックシートは、マイドキュメントの所定のフォルダに保存しています。
②ファイル名の変更
領収済通知書(画像)の貼り付け
届いた「社会保険料納入告知書」をPDFに変換して、納付書の「領収済通知書」部分の画像を切り取り、チェックシートに貼り付けます。
タイトル、日付等も変更します。チェックシートの数値はクリアします。
法定福利費計算書(給与)の作成
令和2年11月度給与(令和2年12月15日支給)の給与一覧表から、社会保険に加入しているスタッフの総支給額を「法定福利費計算書」へ転記して、法定福利費を求めます。
※ブログ:゛自作「法定福利費計算書」の使い方と、実際の活用事例゛を参照下さい。
法定福利費計算書のコピー
法定福利費計算書を1から作成するのは、非効率なので、前月の法定福利費計算書をコピーして内容を変更して作成します。
日付を変更します。
法定福利費計算書の設定の確認
前月と異動がなければ、そのまま総支給額を支給額に入力すれば、自動計算しますが、異動があれば間違った計算となりますので、必ず設定の確認をします。
・社会保険の料率の改定
・加入区分、年齢区分の変動
・標準報酬月額の変更
・スタッフの異動(入社、退社)
法定福利費計算書への転記
①総支給額の転記
給与一覧表の総支給額を法定福利費計算書の支給額に転記しながら、本人負担の法定福利費が給与一覧表のそれと一致しているか?を確認します。
※総支給額を入力すると、本人負担の法定福利費を自動計算します。
②スタッフの追加、削除
横山早紀さんが、11月1日より育休から職場復帰して、井出紀子さんが11月16日より入社したので、法定福利費計算書に追加します。
総合計の確認
給与一覧表と、法定福利費計算書の本人負担の合計が一致しているか?をチェックします。但し、雇用保険は全員を入力していないので一致はしませんので、注意願います。
完成した法定福利費計算書(給与)
チェックシートへの転記
チェックの判定
チェックシートのC欄に、社会保険料納付書の「健康保険料」と「厚生年金保険料」を転記して、差額が0となれば、OKです。
ケーススタディ2
チェックシートの作成
ここでは、1月26日に届いた「社会保険料納入告知書(12月分)」を例として、チェックの方法を説明します。
注意:
12月分をチェックする場合は、賞与の支給があった場合は、法定福利費計算書を給与分と賞与分の2つを作成して、その合計額で納入告知書との突合せが必要です。納入告知書には、給与分と賞与分に分けて記載はされません。
既存チェックシートの流用
①既存チェックシートのコピー
新たにチェックシートを1から作成するのではなく、既存のチェックシートをコピーし、内容を変えて作成します。今回の社会保険料納入告知書は、賞与も含まれていますので、前年の12月度のチェックシートを流用します。(デスクトップにコピーして抜き出して、修正します。)
※毎月のチェックシートは、マイドキュメントの所定のフォルダに保存しています。
②ファイル名の変更
領収済通知書(画像)の貼り付け
届いた「社会保険料納入告知書」をPDFに変換して、納付書の「領収済通知書」部分の画像を切り取り、チェックシートに貼り付けます。
タイトル、日付等も変更します。昨年度の賞与・給与のシートも削除します。
法定福利費計算書(給与)の作成
令和2年12月度給与(令和3年1月15日支給)の給与一覧表から、社会保険に加入しているスタッフの総支給額を「法定福利費計算書」へ転記して、法定福利費を求めます。
法定福利費計算書のコピー
法定福利費計算書を1から作成するのは、非効率なので、前月の法定福利費計算書をコピーして内容を変更して作成します。
日付を変更します。
法定福利費計算書の設定の確認
前月と異動がなければ、そのまま総支給額を支給額に入力すれば、自動計算しますが、異動があれば間違った計算となりますので、必ず設定の確認をします。
・社会保険の料率の改定
・加入区分、年齢区分の変動
・標準報酬月額の変更
・スタッフの異動(入社、退社)
法定福利費計算書への転記
①総支給額の転記
給与一覧表の総支給額を法定福利費計算書の支給額に転記しながら、本人負担の法定福利費が給与一覧表のそれと一致しているか?を確認します。
※総支給額を入力すると、本人負担の法定福利費を自動計算します。
②標準報酬月額の変更
社会保険料のチェックなので、社会保険に未加入の方は、入力しません。月額変更届により、1月度より標準報酬月額がUPされている方がいますので、標準報酬月額を変更します。
この例では、岩崎和也さんは、200,000円が280,000円となっています。
③スタッフの追加、削除
前月分の法定福利費計算書をコピーして流用していますので、新しく入社されたスタッフや、退職されたスタッフについては、法定福利費計算書に追加・削除します。
総合計の確認
給与一覧表と、法定福利費計算書の本人負担の合計が一致しているか?をチェックします。但し、雇用保険は全員を入力していないので一致はしませんので、注意願います。
完成した法定福利費計算書(給与)
法定福利費計算書(賞与)の作成
賞与の場合は、処遇改善際加算手当を支給していますので、支給に際しては、必ず法定福利費計算書を作成していますので、それを利用します。当然に、賞与一覧表とのチェックも済んでいますので、そのまま利用します。
チェックシートへの転記
チェックの判定
チェックシートのC欄に、社会保険納付書の「健康保険料」と「厚生年金保険料」を転記して、差額が0となれば、OKです。
留意:
社会保険料納入告知書と、1円の誤差が発生することがあります。原因は、法定福利費計算書では給与明細書に合わせる為、健康保険と介護保険をそれぞれで計算していますが、社会保険料納入告知書では、健康保険の中に介護保険を含めて計算している為に、端数処理で1円の差額が出ているようです。支払いは、納入告知書に記載された額で行いますので全く問題はありませんが、ご留意願います。
法定福利費計算書のテンプレート販売
社会保険料納入告知書は、「法定福利費」の計算ができればチェックできます。毎月のチェックで給与や賞与の間違えや社員の入退社のチェックもできます。
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