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処遇改善加算配賦の為の「法定福利費計算書」をExcelで作成する。

処遇改善加算交付金は、会社負担の法定福利費の増加分を除いて、全額(1円以上多く)、介護業務に携わる介護職員へ配賦しなければなりません。そこで、今回、キーとなる法定福利費の算出の為、法定福利費計算書を作成します。厚生労働省によれば、法定福利費の計算においては、「合理的な方法に基づく概算」で良いとの事なので、多少の誤差は認められるとは、思いますが、交付金合計<支給合計を満たさなければ、全額返却との記述もある為、計算書を作成してみました。端数処理の方法で、多少の誤差が発生するかもしれませんが、合理的な方法よりも正確に法定福利費の算出が可能です。
留意:各種料率は、頻繁に改定されていますので、料率の設定にはご留意下さい。

処遇改善加算手当の配賦額の妥当性確認チェックリスト

2017.09.01
さて、「法定福利費計算書」は、平成29年6月30日に作成してUPしましたが、この時点での計算書は、個人毎に自己負担分と会社負担分とを算出して、個人毎に算出された会社負担分の合計を会社負担分の法定福利費としていましたが、会社負担分の算出方は、自己負担分の算出方法と異なり、個人毎に会社負担分を算出しなくとも良いことが判明しました。
そこで、既にUPしていました記事は、全面的に差し替えることとしました。

2019.05.10
「法定福利費計算書」の「本人負担」欄は、PCの給与システムで発行される給与明細書に印字される「本人負担額」と一致します。が、6ヶ月に1回程度、この法定福利費計算書と1円合わないことがありました。本日、原因が判明しましたので訂正致しました。
<原因>
「法定福利費計算書」で、50銭以下の場合は切り捨て、51銭以上の端数がある場合は切り上げする計算を0.49を加算することで行っていましたが、0.499としなければ当該端数計算がされない場合があることが判明しました。そこで、0.49を加算している箇所を全て、0.499を加算するように修正しました。(PCの給与システムの計算が少数以下2桁でなく、3桁までで端数処理をしていた為。)

2019.09.11
70歳以上の方が勤務されている場合は、法定福利費は手計算して下さい。excelでは対応していません。
70歳になれば、本人から健康保険は徴収するも、厚生年金の負担は無くなります。健康保険も厚生年金も、標準報酬月額より求めていますが、厚生年金=0とするには標準報酬月額を0にしなければなりませんが、そうすると健康保険の計算ができなくなってしまいます。つまり、健康保険を求めた後、標準報酬月額欄を0にする必要があります。これをEXCEL上で自動計算させるには、もう一つ「標準報酬月額欄」が必要となります。

2019.10.22
70歳以上の方の法定福利費を自動計算できる様に、シートを改訂しました。
年齢区分に「70歳~75歳」と「75歳~」を追加して、もうひとつの標準報酬月額欄として「会社負担月額算出用標準報酬」欄を追加することで「70歳~75歳」の場合、健康保険は標準報酬月額欄から計算を行い、厚生年金の計算は「会社負担月額算出用標準報酬」欄で行うことで、自動計算を可能としました。
又、子ども・子育て拠出金の額は、被保険者個々の厚生年金保険の標準報酬月額および標準賞与額に、拠出金率(0.23%)を乗じて得た額の総額となります。が、標準報酬月額の総額に拠出金率を乗じて求めていましたので改定しております。

2019.11.04
「法定福利費計算書」の使い方とその活用事例を解説、サンプルをダウンロードできる様にしました。

2021.05.03

「法定福利費計算書」の使い方については、以下を参照下さい。

「法定福利費計算書の使い方」の解説動画は、こちら

「法定福利費計算書」のテンプレートは、こちら

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法定福利費の求め方

端数がある場合の自己負担額の求め方

社会保険料は、会社と本人とで折半して負担しますが、端数が発生する場合は、「自己負担額」に50銭以下の端数がある場合は切り捨て、51銭以上の端数がある場合は切り上げ」を行い、自己負担額を求めます。
例:50銭以下切り捨て、50銭を超える場合切り上げ
12,345.50円→12,345円が自己負担
12,345.51円→12,346円が自己負担

会社負担額の求め方

  1. 全対象者の標準賞与額の合計に保険料率を乗算して保険料を求めます。
  2. 上記①で求めた自己負担額の全対象者の合計を求めます。
  3. 1.から2.を控除して、会社負担額を求めます。
会社負担分の法定福利費の算出式
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法定福利費計算書の使い方

処遇改善加算の配賦額で、賞与の支給が終わりましたら、「賞与一覧表」を見ながら、以下のA,B,C,Dを入力して、各社員の自己負担の社会保険料を求めた後、会社負担の法定福利費を算出します。

A:健康保険、介護保険等の料率を入力します。
B:個人毎の社会保険・雇用保険の加入状況及び、年齢を入力します。

社会保険:加入=スペース,未加入=1
雇用保険:加入=スペース,未加入=1
年齢  :該当=1,非該当=スペース

年齢区分を追加しました。
[70歳≦年齢<75歳]
70歳になれば、本人から健康保険は徴収するも、厚生年金の負担は無くなります。
※「70歳以上75歳未満」を選択すると、自動的に会社負担月額算出用標準報酬=0となります。
[75歳≦年齢]
75歳になれば健康保険もなくなります。(後期高齢者医療制度に移行されます。)
※「75歳以上」を選択した場合は、標準報酬月額(健康保険)は0として入力して下さい。(自動ではなりません。)

C:賞与支給額を手入力します。
D:標準報酬月額を手入力します。

注意:賞与の場合は、1,000円未満を切り捨てた額(標準賞与額)
又、75歳以上の場合は、標準報酬月額(健康保険)は0と入力して下さい。

E:70歳以上75歳未満の方の標準報酬月額

70歳になれば、本人から健康保険は徴収するも、厚生年金の負担はなくなりますので、健康保険は計算して、厚生年金を0としなければなりません。そこで、健康保険の計算はDで行い、厚生年金はEで計算しています。
※Dが入力されていれば、Eにも同じ標準報酬月額が入力されますが、Aで70歳以上75歳未満を選択すると、自動的にE欄は0となります。

留意:
賞与からの社会保険料の控除は、賞与支払月に到達した年齢により、以下の通りとなります。

年齢別社会保険控除の早見表
年齢別

法定福利費計算書の計算

法定福利費計算書の新旧比較

標準報酬月額欄の設定

法定福利費計算書の標準報酬月額欄の設定関数1
法定福利費計算書の標準報酬月額欄の設定関数2

健康保険料の計算

自己負担分の計算

法定福利費計算書の自己負担分の健康保険料の関数

会社負担分の計算

法定福利費計算書の会社負担分の健康保険料の関数

介護保険料の計算

自己負担分の計算

法定福利費計算書の自己負担分の介護保険料の関数

会社負担分の計算

法定福利費計算書の会社負担分の介護保険料の関数

厚生年金保険料の計算

自己負担分の計算

法定福利費計算書の自己負担分の厚生年金保険料の関数

会社負担分の計算

法定福利費計算書の会社負担分の厚生年金保険料の関数

雇用保険料の計算

法定福利費計算書の雇用保険料の関数

こども・子育て拠出金

法定福利費計算書のこども・子育て拠出金の関数

健康保険料の計算

本人負担分の健康保険料

法定福利費計算書の本人負担分の健康保険料の関数
法定福利費計算書の本人負担分の健康保険料の関数計算式

<計算例1・・・岩井裕司さんの場合>

K5=99,000、N4(健康保険料率)=11.84%、O4(介護保険料率)=1.65%、C5(社保対象)=スペース、F5(40歳以上65歳未満)=スペース。よって、

99,000✕(11.84%-1.65%)÷2+0.499→99,000✕10.19%÷2+0.499=5,044.54→切り捨て→5,044

<計算例2・・・亀角慶次郎さんの場合>

K6=84,000、N4(健康保険料率)=11.84%、O4(介護保険料率)=1.65%、C6(社保対象)=スペース、F6(40歳以上65歳未満)≠スペース。よって、ア.イ.ウ.の計算で、健康保険を算出します。

ア.84,000✕11.84%÷2+0.499=4,973.29→切り捨て→4,973
イ.84000×1.65%÷2+0.499=693.49→切り捨て→693
ウ.(4,973-693)=4,280

会社負担の健康保険料

法定福利費計算書の会社負担分の健康保険料の関数
法定福利費計算書の会社負担分の健康保険料の関数の計算式

<計算例・・・事業主負担につき、個人毎の計算は不要>

ア.1,735,000(K33の合計額)×(11.84%-1.65%)=176,796.5→176,796
イ.176,796-88,400(N33の合計額)=88,396→R33(会社負担の健康保険)

介護保険料の計算

本人負担の介護保険料

法定福利費計算書の本人負担分の介護保険料の関数
法定福利費計算書の本人負担分の介護保険料の関数計算式

<計算例1・・・岩井裕司さんの場合>

K5=99,000、O4(介護保険料率)=1.65%、C5(社保対象)=スペース、F5(40歳以上65歳未満)=スペース
0→O5(本人負担の介護保険)

<計算例2・・・亀角慶次郎さんの場合>

K6=84,000、O4(介護保険料率)=1.65%、C6(社保対象)=スペース、F6(40歳以上65歳未満)≠スペース

84,000×1.65%÷2+0.499=693.49→切り捨て→693→O6(本人負担の介護保険)

会社負担の介護保険料

法定福利費計算書の会社負担分の介護保険料の関数
法定福利費計算書の会社負担分の介護保険料の関数計算式

<計算例・・・事業主負担につき、個人毎の計算は不要>

ア.625,000(M33の合計額)×1.65%=10,312.5→10,312
イ.10,312-5,155(O33の合計額)=5,157→S33(介護保険)

厚生年金保険料の計算

本人負担の厚生年金保険料

法定福利費計算書の本人負担の厚生年金保険料の関数
法定福利費計算書の本人負担の厚生年金保険料の関数計算式

<計算例1・・・岩井裕司さんの場合>

K5=99,000、C5(社保対象)=スペース、N4(厚生年金保険料率)=18.182%

99,000✕18.182%÷2+0.499→9,000.58→切り捨て→9,000

<計算例2・・・亀角慶次郎さんの場合>

K6=84,000、C6(社保対象)=スペース、N4(厚生年金保険料率)=18.182%

84,000✕18.182%÷2+0.499→7,636.93→切り捨て→7,636

会社負担の厚生年金保険料

法定福利費計算書の会社負担の厚生年金保険料の関数
法定福利費計算書の会社負担の厚生年金保険料の関数計算式

<計算例・・・事業主負担につき、個人毎の計算は不要>

ア.1,735,000(K33の合計額)×18.182%=315,457.7→315,457
イ.315,457-157,727(P33の合計額)=157,730→T33(厚生年金)

雇用保険料の計算

法定福利費計算書の雇用保険料の関数

本人負担の雇用保険料

法定福利費計算書の雇用保険料の本人負担分の関数計算式

<計算例1・・・岩井裕司さんの場合>

J5(賞与額)=99,296、D5(雇用保険)=スペース、Q4(本人負担雇用保険料率)=0.3%
賞与額99,296✕0.3%+0.499=298.387→切り捨て→298

<計算例2・・・亀角慶次郎さんの場合>

J6(賞与額)=84,144、D5(雇用保険)=スペース、Q4(本人負担雇用保険料率)=0.3%
賞与額84,144✕0.3%+0.499=252.931→切り捨て→252

会社負担の雇用保険料

法定福利費計算書の雇用保険料の会社負担分の関数計算式

<計算例1・・・岩井裕司さんの場合>

J5(賞与額)=99,296、D5(雇用保険)=スペース、U4(会社負担雇用保険料率)=0.6%
賞与額99,296✕(0.3%+0.6%)+0.499-298=894.163-298=894-298=596

<計算例2・・・亀角慶次郎さんの場合>

J6(賞与額)=84,144、D6(雇用保険)=スペース、U4(本人負担雇用保険料率)=0.6%
賞与額84,144✕(0.3%+0.6%)+0.499-252=757.795-252=757-252=505

こども・子育て拠出金

法定福利費計算書のこども・子育て拠出金の関数

<計算例・・・事業主負担のみ>
個人別に計算されたV列の合計

コメント

  1. 介護老人保健施設椿寿荘 高倉 央 より:

    介護職員処遇改善交付金について
    申請するためのソフトはあるのでしょうか?

    • gungii より:

      介護職員処遇改善交付金は、処遇改善加算の申請をして通れば、介護報酬の5.9%(通所介護/加算Ⅰ)が事業所毎に処遇改善加算金として支給されるものですので、申請ソフトというものはありません。所轄の都道府県に処遇改善加算を申請して下さい。昔、交付金と呼ばれていましたので私が勝手にそのように呼んでいますが、一律に支給されるものではなく、介護報酬に対する割合で支給されるもので、正確には、国保連からのお知らせでは「介護職員処遇改善加算総額(保険給付分)」となっています。

  2. ほんだ より:

    初めまして。こちらの法定福利費計算書はどこからかダウンロードできますでしょうか?

    • gungii より:

      すみません。ダウンロードは用意していません。法定福利費計算は一人ひとり手計算できているが、EXCELで一括計算したい方向けにexcel計算式を説明しています。
      社保の加入条件、年齢条件、料率の設定等、特に料率については頻繁に変更があり、都道府県でも異なる為、設定ミスがあると正しい結果とならない為、計算式を参考に、ご自身で作って頂くこととしています。

  3. Shelie より:

    処遇改善加算交付金は、会社負担の法定福利費の増加分を「除いて」ではなく、増加分「のみを含むことができる」のではないですか?また、計算表ですが、70歳以上75歳未満で、厚生年金は未加入ですが、健康保険には加入というのがあります。現状の数式では合わないです。よろしくお願いいたします。

    • gungii より:

      ブログをご覧頂き、ありがとうございます。

      1.処遇改善加算交付金は、会社負担の法定福利費の増加分を「除いて」ではなく、増加分「のみを含むことができる」のではないですか?
      <回答>
      処遇改善加算交付金=100万円、会社負担の法定福利費=8万円とすれば、92万円以上を配布しなければならないという事です。これを゛除いて゛92万円と言うのか?゛含めて゛100万円と言うのか?の違いではないですか?(92万円の中には自己負担の法定福利費は含まれます。)
       
      2.70歳以上75歳未満で、厚生年金は未加入ですが、健康保険には加入というのがあります。現状の数式では合わないです。
      <回答>
      その通りです。表でも「70歳以上75歳未満」の欄を設けていない様に、対応していません。これを対応する為には、厚生年金は0としながら、健康保険は計算せねばならず
      現状の項目では足りません。

      すべてを自動で計算するならば、まだまだ項目が不足しています。そこからはご自身で対応して頂くこととなります。
      例えば、月の途中に退社された場合、社会保険は徴収できない為、0とならねばなりませんが、これを自動で行なうには、月途中退社フラグ等が必要です。が、これは、手入力で0として運用します。

      自動計算の部分と、手計算(人間が判断する)部分を切り分けて、運用願います。

      (追伸)
      会社負担の法定福利費計算は、ご承知の如く、各種保険や税金等を手計算できる位の知識があった上で、ご利用頂かなければ、危険ですので、あえてサンプルは付けていないのは、そのような理由からです。ちなみに、自分が使っている表では、「70歳以上75歳未満」も対応しています。が、月途中退社は手入力です。

  4. 菊池 より:

    こちらの法定福利費計算書はどこからかダウンロードできますでしょうか