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意外と知らない入社の手続き

入社までは、一般的に募集→書類審査→筆記試験→面接→最終面接→内定→入社というプロセスを踏みます。最終面接が終わった後、1週間ほどで会社から内定通知をします。内定であれば電話通知、不採用ならメールか郵送が一般的です。そして内定の場合は、追って「雇用契約書」「身元保証書」などの入社時必要書類を送付します。が、最終面接の段階で内定の通知を行なうこともあり、その場合は「雇用契約書」「身元保証書」等の入社時必要書類は、出社後のオリエンテーションの際に本人に渡して、提出して頂くこととなります。
入社時必要書類は、予め、勤務形態(勤務時間<20h、20h≦勤務時間<30h、30h≦勤務時間、正社員)毎に、必要書類をまとめた「入社時必要書類一覧表」を作成しておくと便利です。

人事に関する仕事をしている、総務に関する仕事をしている、または興味がある方
社会保険労務士、弁護士、行政書士等士業/その他資格を取得したい方に最適です。

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入社前の準備

社員の入社が決まれば、必要な環境を準備します。

入社時必要書類の準備

入社時必要書類一覧表

各事業所の管理者より、入社予定の方の「履歴書」及び雇用条件の情報を提出頂き「入社時必要書類一覧表」により、必要書類を準備します。

入社時必要書類一式

入社時必要書類チェックシート

勤務形態(勤務時間<20h、20h≦勤務時間<30h、30h≦勤務時間、正社員)毎に、必要書類をまとめた「入社時必要書類一覧表」は以下の様に分類しています。

入社時必要書類チェックシート

入社時必要書類

①履歴書

履歴書

②健康診断書

③身元保証書、秘密保持契約書、個人情報保護に関する誓約書、個人情報の保護に関する誓約書

身元保証書、秘密保持契約書等

④口座振替依頼書(給与振込先の届出書)

会社より指定された給与・賞与の振込先銀行と口座を記入して頂きます。会社によっては、通帳の支店名と口座名の記載があるページの写しを求められることもあります。

注意:「振込先」とは、会社の指定する振込先銀行です。

口座振込依頼書

⑤通勤手当申請書

通勤経路及び通勤手段等を記入して頂きます。

通勤手当申請書

⑥車検証書、任意保険証書の写し

車通勤をされる場合、車検証書の写しと任意保険証書の写しを提出して頂きます。

注意:
車検切れしていないか?任意保険で対人は「無制限」となっているか?年齢制限はないか?などを確認します。

車検証書と任意保険証書

⑦扶養控除等(異動)申告書

「給与所得者の扶養控除等(異動)申告書」の提出がない場合、源泉徴収税額表の「乙」欄による税額計算となります。

注意:
実務では、税務署に提出する必要はなく、事業所で保管しておき、提出を求めれた際に提出できれば良い。

給与所得者の扶養控除等(異動)申告書

⑧源泉徴収票

会社で年末に実施する年末調整で使用するため、「年内に再就職した方」は必要となります。退職した後、1ヶ月以内に退職された会社より郵送されてきます。

給与所得の源泉徴収票

⑨雇用保険被保険者証

31日以上雇用の見込み且つ、週20時間以上勤務の場合には雇用保険に加入となりますので、雇用保険被保険者証を提出して頂きます。
前の会社へ入社された時、又は、退職時に渡されています。(雇用被保険者番号が入社手続きの際に必要となります。)
注意:
従来は加入者は65歳未満という年齢制限がありましたが、平成29年1月1日以降、制度改正により年齢制限がなくなり、65歳以上の従業員も雇用保険への加入が必要です。

雇用保険被保険者証

⑩雇用保険被保険者資格取得届

個人番号(マイナンバー)のみ記入して頂きます。他は会社が記入します。

雇用保険被保険者資格取得届

⑪年金手帳の写し

社会保険(厚生年金、健康保険)に加入するため必要になります。配偶者を扶養する場合は本人分の他に配偶者の年金手帳も必要です。1週の所定労働時間および1月の所定労働日数が常時雇用者の4分の3以上(常時雇用者が1日=8h、週40hならば、週30h以上となります。)であれば、健康保険厚生年金保険に加入となります。
注意:
前職がなくても20歳になった時に年金手帳を交付されているため、紛失など手元にない場合は再交付申請します。

年金手帳

留意:年金手帳そのものは、必要ありません。

⑫健康保険厚生年金保険被保険者資格取得届

会社が記入しますので、提出の必要はありません。

健康保険厚生年金保険被保険者資格取得届

⑬健康保険被保険者(異動)届

健康保険の扶養に入れる親族がいる方のみ提出して頂きます。

健康保険被保険者(異動)届

⑭資格者証の写し

資格者証

⑮雇用契約書

入社が決定した段階で、管理者より入社予定の方の「履歴書」及び雇用条件の情報を提出頂き、人事担当者が作成します。
注意:
「雇用契約書」を作成して、会社と社員が署名捺印するところまでは求められておらず、「労働条件通知書」「雇用通知書」等の書面を会社から社員に通知することで足りる。

雇用契約書

必要な環境の準備

入社初日にすぐ業務に取り掛かれるように必要な備品や環境は、予め準備しておきます。

  • 専用PCの用意、会社携帯の用意
  • 個人メールアドレスの設定、インターネット環境の設定
  • 机、いすの用意
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入社時オリエンテーリング

社員の紹介

入社日当日は、事業所内の朝礼等で社員の紹介をします。

入社オリエンテーション

これからいっしょに仕事をする社員に、会社での仕事のやり方や考え方、方向性等を説明します。管理者は、会社の規則や業務の流れなどを説明します。

雇用契約書の説明

基本給(時間給)、諸手当、勤務時間、交通費などを説明します。
例:車通勤の場合は、片道2㎞以内は出ず、Max10,000円まで、資格手当は試用期間経過後(3ヶ月経過後)に付与etc

業務内容の説明

シフト勤務や、業務の1日の流れを説明します。

 

  • シフトの申請、休みの申請方法
  • 出勤簿の記入方法、遅刻・早退・忌引きなどの届出の提出方法

注意:申請用紙がどこに保管されているかを説明しておきます。

入社時必要書類の記入と提出

入社手続きで必要な書類を渡し、指定期日までに返却をお願いします。

入社時必要書類チェックシート

注意:⑥、⑦、⑨、⑪、⑫、⑬、⑮、⑰は、早めに回収します。

環境の説明

入社初日にすぐ業務に取り掛かれるように必要な備品や環境について説明します。

 

  • 専用PC、個人メールアドレス、クラウド環境(dropbox)の使い方etc
  • 電話(内線、外線の使い方)、コピー機の使い方、セキュリティ番号etc

入社手続きの依頼

入社の手続きについては、一般的に多くが社会保険労務士事務所へ依頼していますので、社会保険労務士事務所へ入社手続きを依頼をする前提で説明します。一般的に必要な書類を以下に記載しますが、顧問契約の内容により、又、社会保険労務士事務所により求める書類の追加・削除がありますので、個々に、ご確認ください。
留意:顧問の社会保険労務士事務所が電子申請をしているか否かによって、提出する書類が大きく異なります。(電子申請であれば、殆どがPDF送付で済みます。)

共通の書類

  • 履歴書の写し
  • 雇用契約書の写し
  • 年金手帳の写し
  • 給与所得者の扶養控除等(異動)申告書の写し

雇用保険の加入手続き

雇用保険の手続きは、「雇用保険被保険者資格取得届」を所轄のハローワークに提出して行います。社員を雇用した月の翌月10日までが期限となります。

中途の場合

「雇用保険被保険者証」を提出します。

雇用保険被保険者証

注意:
「雇用保険被保険者資格取得届」のハローワークへの提出は、一般的に社労士が行ってくれます。

雇用保険被保険者資格取得届

新卒の場合

「雇用保険被保険者証」は不要です。(新卒の場合はもっていない為)
注意:
「雇用保険被保険者資格取得届」のハローワークへの提出は、一般的に社労士が行ってくれます。

社会保険の加入手続き

社会保険の手続きは、年金事務所又は健康保険組合・厚生年金基金に「健康保険・厚生年金被保険者資格取得届」を提出することで、入社した社員が健康保険と厚生年金保険の被保険者の対象となります。提出の期限は雇用開始から5日以内となります。配偶者や子供など被扶養者がいる場合は「健康保険被扶養者(異動)届」を同時に提出します。また、社員の配偶者が国民年金の第3号被保険者に該当すれば、「国民年金第3号被保険者資格取得・種別変更・種別確認(3号該当)届」を提出します。

扶養している家族がいない場合

提出物はありません。
注意:
「健康保険・厚生年金被保険者資格取得届」の年金事務所への提出は、一般的に社労士が行なってくれます。

健康保険・厚生年金被保険者資格取得届

扶養している家族がいる場合

健康保険被扶養者(異動)届を提出します。

健康保険被扶養者(異動)届

注意:
「健康保険・厚生年金被保険者資格取得届」の年金事務所への提出は、一般的に社労士が行なってくれます。

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