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初めての退職手続きガイド:必要な書類と流れ

会社を辞める際には、本人と会社のそれぞれが必要な手続きをしなければなりません。健康保険証や制服などを回収し、預かっていた年金手帳を返却し、「離職票1,2」を郵送する等、スムーズな手続きが求められます。

[ 退職のフローチャート ]
以下のフローチャートは、ハローワーク及び社会保険事務所への手続きを社労士を通して行なう流れとなっています。(源泉徴収票の手配は、税理士さんにお願いしています。)

退職フローチャート1
退職フローチャート2
退職フローチャート3
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退職時の回収と交付

退職者から回収・受領するもの

退職届

退職届

健康保険被保険者証

健康保険被保険者証

会社貸与の携帯電話、ロッカーの鍵

携帯電話、ローカーの鍵

制服(クリーニング必須)

クリーニングのイラスト

その他会社からの貸与物

名刺・名札、その他

会社から返却・交付するもの

「雇用保険被保険者証」、「年金手帳」、「源泉徴収票」の3つは必ず会社から受け取ります。 転職先が決まっていない人は「離職票」も受け取ります。但し、源泉徴収票や離職票は、手続き上、退職当日には渡せないので、後日会社から郵送などの方法で渡します。

雇用保険被保険者証

雇用保険の加入者であることを証明する書類で、雇用保険の受給手続きに必要です。転職先が決まったら、新しい会社に提出します。雇用保険被保険者証は、雇用保険に加入した際に、資格取得確認通知書と共にハローワークより会社へ交付されます。無くしたりすることを防止する為、退職するまで会社側が預かり、退職時に従業員に渡されることが多くあります。(入社時に、給与明細書と一緒に渡される会社もあります。)

雇用保険被保険者証

年金手帳

無くしたりすることを防止するため、会社が預かっていることが多く、退職時に返却します。(原本はもらわず、写しを頂く会社もあります。)

年金手帳

源泉徴収票

所得税の年末調整に必要。転職先が決まったら提出し、前の会社の分もまとめて年末調整します。退職した年内に再就職しなかった場合は、翌年の3月15日までに税務署に行って確定申告します。1月から退職月まで支払った給与・賞与の「源泉徴収票」を退職日から1ヶ月以内に交付します。

  • 年内に再就職する場合→→→年末調整の為に再就職先へ提出
  • 年内に再就職しない場合→退職者本人が確定申告します。

注意:源泉徴収票は、手続き上、退職当日には渡せないので、後日会社から郵送などの方法で渡します。

源泉徴収票

離職票-1,-2

会社を退職したことを証明する書類で、転職先が決まっている人は必要ありません。決まっていない人は失業給付の受給手続きの際にハローワークに提出します。退職者より希望がなければ不要ですが、59歳以上の退職者には必要です。会社が「雇用保険被保険者離職証明書」、「雇用保険被保険者資格喪失届」等の必要な手続きを行うことで、離職票-1と離職票-2が会社に送付されますので、それが退職者に渡されます。
注意:離職票は、手続き上、退職当日には渡せないので、後日会社から郵送などの方法で渡します。

離職票

健康保険資格喪失証明書

「健康保険資格喪失証明書」が必要な人は、会社の健康保険をやめて国民健康保険に加入する場合のみです。従って、すぐに再就職先が決まっている人や、健康保険の任意継続をする人は必要ありません。つまり、会社側が絶対に発行しないといけない書類ではありませんので要求があった場合に発行しても構いません。

社会保険被保険者資格喪失証明書

(退職証明書)

請求があれば

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退職者本人の手続き

退職後、すぐに次の転職先が決まっている場合は、次の会社へ移行でき、会社が手続きを行ってくれますが、退職後ブランクを置いたり、就職を考えていない場合は、自身で手続きをしなければなりません。

健康保険の手続き

健康保険証は、退職日まで有効ですが、退職後の健康保険制度への加入は次の3通りから選ばなくてはなりません。一般的に収入の高かった人は、任意継続の方が安くなるようですが、国民健康保険には、減免措置がありますので、状況に応じて選択が必要です。

任意継続

退職後も、在職中の健康保険制度に継続して加入することです。

①申込条件

継続できる資格は、勤続2ヶ月以上で最長2年間までです。保険料は、現在の約2倍(事業主負担も本人が負担する事となる為)を直接、全国健康保険協会へ支払ます。
注意:健康保険証の記号・番号の記入が必要ですので、返却前にコピーを取っておく事が必要です。

②申込方法

保険証を勤務先に返却した上で、退職の翌日が20日以内にお住まいの地域を管轄する協会けんぽに行き、手続きを行います。

健康保険任意継続被保険者資格取得申出書

国民健康保険に加入

①申込方法

健康保険の資格を喪失した日から14日以内に、居住区の市区町村で国民健康保険に加入します。

ア.各市町村で決められた届出書

国民健康保険異動届

イ.健康保険の資格喪失日がわかる証明書

手続きの際は、「健康保険資格喪失証明書」を持参します。(保険料は、退職の前年の年収によって異なります。)

社会保険被保険者資格喪失証明書

扶養家族になる。

被扶養者になる為の一般的な条件を満たせば、扶養にはいることができます。但し、健康保険組合によって、その条件は異なりますので、それぞれに加入している会社に相談することが必要です。

(被扶養者となる為の一般的な条件)

 

  • 年収が原則として130万円未満(60歳以上は180万円未満)であり、且つ、被保険者の年収の1/2未満であること。
  • 3親等内の親族であること

注意:この場合の130万円には、交通費も失業保険も含みます。

ア.失業保険の給付制限期間中(待機期間含む)に扶養に入る。

失業保険の金額のいかんにかかわらず、「収入がない状態」なので、家族の扶養に入ることができます。また、失業保険の受給が終わったのち、再就職が決まっていない場合はそこから扶養に入ることもできます。但し、失業保険の受給が開始されたら、扶養から外れる手続きが必要です。扶養から外れたら、国民健康保険への切り替え手続きが必要です。

扶養に入れる期間の例示

イ.失業保険受給中は、原則、健康保険の扶養に入ることはできません。

失業保険の基本日額=3,611円(130万円÷360日)以下の人であれば、年収130万円未満という条件を満たしますので、扶養に入れます。が、基本日額=3,611円を超えると扶養に入ることはできません。
注意:
失業保険の基本日額=3,611円を超える場合は、失業保険をもらっている間は、扶養から外れることとなりますが、その際に、失業保険の基本日額によっては失業保険をもらった方が良いのか?扶養に入ったまま失業保険をもらわない方が、良いのか?は、個々に計算して選択して下さい。
留意:自己都合退職であれば、3ヶ月間でも給付制限期間中は扶養に入った方が、国民健康保険に入って保険料を支払うよりはかなり節約できます。

国民年金の手続き

60歳未満の退職者及びその扶養者は、退職後も年金に加入する必要がありますので、再就職が決まっていない場合は、国民年金への加入が必要となります。居住地の市区町村で、国民年金に加入します。
但し、厚生年金に加入している配偶者(主に会社員)の扶養になる場合は、配偶者の年金制度に扶養として加入することができますので、配偶者の会社にご相談ください。
失業したばかりや所得が少ないなど、保険料を納めることが経済的に困難な場合には、本人の申請手続きによって審査され、日本年金機構の承認を受けると、保険料の納付が免除または猶予される制度があります。
国民年金の免除申請には、「今、無職であることを証明する」為に、「離職票」か「雇用保険受給資格者証」のいづれかが必要となります。「雇用保険受給資格者証」は、ハローワークで失業保険の手続きをしてから手に入るまで10日ぐらいかかり、提出した「離職票」は回収されて戻ってきません。つまり、国民年金の免除申請をされるなら、「離職票」をもってまず国民年金の免除申請に行かれる方が手続きがスムーズにいきます。

雇用保険の手続き

退職後、次の転職先が決まっていない場合やブランクがある場合は、ハローワークで、失業手当の申請ができます。
雇用保険の資格取得時に受け取っている「雇用保険被保険者証」と、退職後に受け取る「離職票-1」「離職票-2」等の書類を居住地を管轄するハローワークに持参して、手続きを行います。
退職した会社から離職票1・2を発行してもらい、運転免許証や印鑑、通帳などと一緒にお住まい地域を管轄するハローワークで手続きをすれば、手続きから2週間以内程度で説明会があり、その時に雇用保険受給資格者証が発行されます。(離職票は回収されますので、手元には残りません。)

雇用保険受給資格者証

会社の手続き

社会保険の退職手続き

社員が退職した場合は、健康保険被保険者証等を回収して、社会保険事務所に返却します。退職した日から5日以内に、事業所を管轄する年金事務所(又は、健康保険組合)に返却提出します。

年金事務所に提出

①健康保険・厚生年金保険被保険者資格喪失届

健康保険・厚生年金保険被保険者資格喪失届

注意:70歳になったときは、厚生年金保険について被保険者資格を喪失しますので「資格喪失届」の提出が必要となります。

②健康保険被保険者証

被保険者、被扶養者の全員分を返却します。

健康保険被保険者証

※健康保険証を紛失し、添付できない場合は「健康保険被保険者証紛失・滅失届」を提出します。

健康保険被保険者証紛失・滅失届

年金事務所より受け取り

会社から、「健康保険・厚生年金保険被保険者資格喪失届」と「健康保険被保険者証」を返却することにより、「健康保険・厚生年金保険被保険者資格喪失確認通知書」が送付されます。

健康保険・厚生年金保険被保険者資格喪失確認通知書

雇用保険の退職手続き

社員が退職した場合は、失業手当を受けるために「離職票」を交付する必要があります。この為、退職日の翌日から10日以内にハローワークに「雇用保険被保険者資格喪失届」と「雇用保険被保険者離職証明書」を提出して、「離職票」を受け取り、退職者へ渡します。

ハローワークに提出

①雇用保険被保険者資格喪失届

雇用保険被保険者資格喪失届

②雇用保険被保険者離職証明書

雇用保険被保険者離職証明書

(添付資料)
退職届の写し・・・退職理由のわかる資料として、自己都合退職であれば、退職届の写し
出勤簿の写し・・・過去6ヶ月間の賃金がわかる資料。
賃金台帳の写し

ハローワークより受取

会社が「雇用保険被保険者離職証明書」、「雇用保険被保険者資格喪失届」等の必要な手続きを行うことで、離職票-1と離職票-2が会社に送付されますので、それを退職者に渡します。

離職票

住民税の切り替え手続き

従業員か退職した場合は、その旨(「退職日」、「未払い税額」、転居先など)を市区町村に知らせる必要があります。「特別徴収にかかる給与所得者異動届」を退職日を含む月の翌月10日までに従業員の住んでいる市区町村に提出します。

特別徴収にかかる給与所得者異動届

1月1日から4月30日までに退職した場合→一括徴収

前年分の住民税の未徴収税額(前年6月分から本年5月分まで)を、最後の給与や退職手当から一括徴収し、翌月の10日までに市区町村に納付します。

5月1日から5月31日までに退職した場合→通常通り

通常通り、最後の1ヶ月分を徴収して会社が支払ます。(前年分の未徴収税額はありません。)

6月1日から12月31日までに退職した場合→退職者の選択

①普通徴収に切り替える。

退職月分の住民税まで給与から控除して、普通徴収に切り替えます。「特別徴収にかかる給与所得者異動届」を記入して、翌月10日までに市区町村へ提出します。

②一括徴収する。

退職者から申し出があった場合は、最後に支払う給与から本年分(翌月5月まで)の住民税の未徴収税額を一括徴収して、翌月10日までに市区町村へ納付します。

③再就職先での特別徴収継続

退職者から、再就職先での住民税の特別徴収を継続したい旨の申し出があった場合は、「特別徴収にかかる給与所得者異動届」を市区町村ではなく、再就職先へ提出します。