処遇改善加算って何?どうすればもらえるの?

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処遇改善加算とは

介護事業所で働いている介護職員の賃金改善に充てる事を目的として、平成27年4月介護職員処遇改善交付金に代わって新設されました。離職率の高い介護業界での、介護職員の定着が大きな目的の1つです。求職者が安心して就職できるような職場環境を目指すために作られた制度の1つとして処遇改善加算があります。処遇改善加算を取得するためには、賃金改善のみならず、職場環境やキャリアパス制度を整備することが求められ、事業所全体として働きやすい環境を目指さなければなりません。

処遇改善加算の特徴

処遇改善加算の構成

改善加算は、公金90%+利用者負担10%で賄われています。(処遇改善交付金は100%公金負担だった。)

還元の義務

処遇改善加算は、その支給額のすべてを介護職員に還元させる事が義務付けられています。
①介護サービス事業者等は、加算の算定額に相当する介護職員の賃金(基本給、手当、賞与等(退職手当を除く。以下同じ。)を含む。)の改善(以下「賃金改善」という。)を実施する。
②賃金改善は、基本給、手当、賞与等のうちから対象とする賃金項目を特定した上で行う。この場合、特別事情届出書の届出を行う場合を除き、特定した賃金項目を含め、賃金水準を低下はNO。
③また、安定的な処遇改善が重要であることから、基本給による賃金改善が望ましい。

処遇改善加算の仕組みと配賦による賃金改善

例えば、提供した介護サービス毎に、単位数の4%(加算Ⅰの通所介護)が処遇改善加算となり、サービス提供月の2ヶ月後の末日に以下の例では、136,485円が振り込まれますので、この額以上を介護職員に配賦して、賃金改善を図ることとなります。
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1サービス毎に総単位数の4%が処遇改善加算単位となります。例:5,518✕0.04≒221
注意:%は、訪問介護や通所介護などにより異なります。
上記の単位を金額に換算すると、地域加算が10.27として、221単位✕10.27=2,269円
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8月の実績は、10月初旬に「お知らせ」にて通知されます。処遇改善加算金は、事業所及びサービス種類別に通知されます。
デイサービス事業所に、10月末日に、上記では8月度分の処遇改善加算として136,485円が振り込まれますので、この金額を介護職員へ配賦することで、賃金改善を図ります。(配賦の方法は自由で、評価を加味しても良い。)

処遇改善加算の算定要件

介護職員処遇改善加算は、「加算Ⅰ」、「加算Ⅱ」、「加算Ⅲ」、「加算Ⅳ」の4つのパターンに分かれ、それぞれに要件があり、それを満たせるかどうかで算定金額が異なります。
※先ほどの例では、「加算Ⅰ」の通所介護として、加算率4%で計算しています。

加算パターン

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参考:厚生労働省リーフレットより
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参考:事務処理手順及び様式例の提示について(厚生労働省)

加算パターン別の条件

加算Ⅰ

キャリアパス要件1と、キャリアパス要件2と、職場環境等要件を満たすこと。

加算Ⅱ

キャリアパス要件1又は、キャリアパス要件2と、職場環境等要件を満たすこと。

加算Ⅲ

キャリアパス要件1又は、キャリアパス要件2又は、職場環境等要件のいずれかを満たすこと。

加算Ⅳ

キャリアパス要件1と、キャリアパス要件2と、職場環境等要件のいずれも満たさない。

条件の説明

キャリアパス要件1

厚生労働省により、以下の如く定められています。

一.介護職員の任用における職位(役職)、職責または職務内容に応じた任用等の要件を定めていること。
二.一.に掲げる職位(役職)、職責または職務内容に応じた賃金体系について定めていること。
三.一.及び二.の内容について就業規則などのもので書面で明確にし、周知していること。

ア.任用要件とは

介護福祉士等の資格要件、経験年数、介護技術、研修受講歴、過去に従事していた職務内容を踏まえ、職位や職責(例えば、介護長、主任、副主任、一般)等を定めることを差します。

イ.賃金体系とは

職位や職能に応じた等級を決めることや、役職、資格、能力、経験や職務内容に応じた手当を定めるなどがあります。
つまり、職員の能力や熟練度合によって役職を定め、役職ごとの職務内容や責任、必要な能力やスキルを明確にして、等級を定め、昇進や昇給、社員の育成に活用する人事制度(「職能資格制度」)を定めること。

キャリアパス要件2

キャリアパス要件2は、厚生労働省によって、以下のように定められています。

次の一.又は二.の条件を満たした計画を作成していること。
一.介護職員の職務内容等を踏まえ、介護職員と意見を交換しながら、資質向上の目標及びa.又はb.に掲げる具体的な計画を策定し、当該計画に係る研修の実施又は研修の機会を確保していること。
a.資質向上の為の計画に沿って、研修機会の提供または技術指導等を実施(OJT,OFF-JT)するとともに介護職員の能力評価を行うこと。
b.資格取得の為の支援(研修受講のための勤務シフの調整、休暇の付与、費用(交通費、受講料等)の援助等)を実施する事。
二.上記の内容をすべての介護職員に周知していること。

ア.資質向上の為の目標

利用者のニーズに応じた良質なサービスを提供するために、福祉・介護職員が技術・能力の向上に努めること。(例:介護技術、コミュニケーション能力、協調性、問題解決能力、マネジメント能力等)

イ.資質向上の為の計画

当該計画については、特に様式や基準等を設けておらず、事業者の運営方針や事業者が求める福祉・介護職員像及び福祉・介護職員のキャリア志向に応じて適切に設定する。

ウ.能力評価

個別面談や自己評価に対し先輩社員、サービス担当責任者、リーダー、管理者等が評価を行う手法が考えられる。尚、こうした機会を適切に設けているのであれば、必ずしも、すべての福祉・介護職員に対して評価を行う必要はないが、福祉・介護職員が業務や能力に対する自己認識をし、その認識が事業者全体の方向性の中で、どの様に認められているのかを確認しあうことは重要であり、趣旨を踏まえ適切に運用することが必要。

エ.研修計画

厚生労働省は、次のような研修事例を紹介しています。

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職場環境等要件(定量的要件)

職場環境等要件は厚生労働省によって、以下のように定められています。

平成27年4月から計画書の届出の日の属する月の前月までに実施した介護職員の処遇改善の内容(賃金改善に関するものを除く。)及び当該介護職員の処遇改善に要した費用を全ての職員に周知していること。

職場環境等要件とも呼ばれるのが定量的要件です。賃金改善以外の処遇改善の内容を全ての介護職員に周知させれば定量的要件を満たしたということになります。ここで大切になるのが、賃金改善以外ということなのですが、賃金改善以外の改善にはどういったものがあるのでしょうか?
上記の賃金改善を除く処遇改善とは、資質の向上・職場環境・処遇の改善・その他の3つに分類することができます。
ア.資質の向上

「資質の向上」は、職員一人ひとりが、事業所が求めているスキル・能力・専門性を習得することできるよう、研修制度を設定することが大きな目的となっています。
研修制度に関して、厚生労働省は以下のような例を挙げています。

  • 働きながら介護福祉士取得を目指す者に対する者への実務者研修受験支援や、より専門性の高い介護技術取得しようとする者に対する喀痰吸引、認知症ケア、サービス提供責任者研修、中堅職員に対するマネジメント研修の受講支援(研修受講時の他の介護職員の負担を軽減するための代替職員確保を含む)
  • 研修の受講やキャリア段位制度と人事考課との連動
  • 小規模事業者の共同による採用・人事ローテーション・研修のための制度構築
  • キャリアパス要件に該当する事項(キャリアパス要件を満たしていない介護事業者に限る)
  • その他

イ.職場環境・待遇の改善

職場環境改善の例として、厚生労働省は以下を挙げています。

  • 新人介護職員の早期離職防止のためのエルダー・メンター(新人指導担当者)制度等導入
  • 雇用管理改善のため管理者の労働・安全衛生法規、休暇・求職制度に係る研修受講等による雇用管理改善対策の充実
  • ICT活用(ケア内容や申し送り事項の共有(事業所内に加えタブレット端末を活用し訪問先でアクセスを可能にすること等を含む)による介護職員の事務負担軽減、個々の利用者へのサービス履歴・訪問介護員の出勤情報管理によるサービス提供責任者のシフト管理に係る事務負担軽減、利用者情報蓄積による利用者個々の特性に応じたサービス提供等)による業務省力化
  • 介護職員の腰痛対策を含む負担軽減のための介護ロボットやリフト等の介護機器等導入
  • 子育てとの両立を目指す者のための育児休業制度等の充実、事業所内保育施設の整備
  • ミーティング等による職場内コミュニケーションの円滑化による個々の介護職員の気づきを踏まえた勤務環境やケア内容の改善
  • 事故・トラブルへの対応マニュアル等の作成による責任の所在の明確化
  • 健康診断・こころの健康等の健康管理面の強化、職員休憩室・分煙スペース等の整備
  • その他

ウ.その他

資質の向上や職場環境・待遇の改善には含まれないが、事業所にとって必要である制度を構築したい場合、その他に分類されます。
厚生労働省は以下のような例を挙げています。

  • 介護サービス情報公表制度の活用による経営・人材育成理念の見える化
  • 中途採用者(他産業からの転職者、主婦層、中高年齢者等)に特化した人事制度の確立(勤務シフトの配慮、短時間正規職員制度の導入等)
  • 障害を有する者でも働きやすい職場環境構築や勤務シフト配慮
  • 地域の児童・生徒や住民との交流による地域包括ケア―の一員としてのモチベーション向上
  • 非正規職員から正規職員への転換
  • 職員の増員による業務負担の軽減
  • その他
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