「有給休暇管理表V2.0(excel)」を改定して、「有給休暇管理表V3.0(excel)」を開発しました。
今回の改定は、時季として日付を入力すれば、自動的に消化日数に加算されますので、V2.0以前のように、時季をカウントして消化日数に入力する必要がなくなりました。V2.0では、時季の入力と消化日数とは連動していませんでしたが、V3.0では連動することで入力を楽にしています。
それでは説明したいと思いますが、その前に、有給休暇の管理について、復習しておきます。
有給休暇管理表の使い方の動画は、こちら→ 有給休暇管理表の使い方V3.0
有給休暇管理表の改定
有給休暇管理表V3.0では、時季(有給を消化した日)を入力すれば、自動的に消化日数を更新します。V2.0では時季と消化日数とは連動できていませんでしたが、V3.0より連動させることで、消化日数は自動更新となりますので、基本、時季のみの入力で済みます。
テンプレートは、こちら → 有給休暇管理表v3.0
改定内容
V3.0では、時季(有給を消化した日付)を入力すると、自動的に消化日数に加算される様にしました。
改定前(V2.0)
時季を入力した上で、その回数をカウントして、さらに消化日数欄を書き換えねばなりませんでした。
改定後(V3.0)
時季を入力すると、自動的に消化日数欄へ反映されます。
注意:時季の入力は、全休と半休とでは入力する欄が異なりますので、ご注意下さい。
※全休も半休も入力欄は、上下2段の計20日間記入できます。
有給消化日の入力は、セルに直接入力もできますが、カレンダーから日付を選択して入力することができますので、ワンクリックで入力できます。
旧フォームからの移行
旧フォーム(有給休暇管理表V2.0)から、新フォーム(有給休暇管理表V3.0)への移行は、コピペできませんので、丸ごと差し替えて頂く必要があります。つまり、既に旧フォームでお使いの場合は、旧フォームの有給休暇管理表を印刷して頂き、新フォームに転記することが必要です。
有給休暇管理表の見方
小野小町さんは、令和2年3月15日に正社員として入社されました。半年後の令和2年9月15日に、10日間の有給休暇が付与され、全休で1日有給を消化していますので、令和3年9月15日の期首残高は、前回の期末残高9日と新たに付与された11日を合わせた20日となっています。令和4年2月13日現在は、7.5日の有休消化していますので有給残は12.5日となっています。有給消化の7.5日は、繰越分9日で充当される為、9-7.5=1.5日分の有給は、次の有給発生日の令和4年9月15日までに消化しなければ2年の時効によって消えてしまい、繰り越すことはできません。
有給休暇管理表の管理
有給休暇管理表を扱うケースは、大きく分けて、以下の2つです。社員の入社時に、当該社員の有給休暇管理表を作成するのと、毎月の給与計算時に消化した日を入力して有給残を更新することです。
有給休暇管理表の作成(随時)
社員が入社した際に、当該社員の有給休暇管理表を作成します。入社後6ヶ月経過しなければ、有給は発生しませんので、時間的に余裕はありますが、忘れない様に、入社時に作成するのが良いでしょう。
有給休暇管理表の更新(月次)
毎月の給与計算時に、有給休暇を消化した日を「有給休暇申請書」等で提出して頂き、有給休暇管理表の消化日数を更新します。
有給休暇管理表の作成(随時)
有給休暇管理表の起動
コンテンツの有効化
「有給休暇管理表V3.0」を起動しますと、以下の如く、「コンテンツ有効化」のボタンが表示されますので、「コンテンツの有効化」をクリックします。
注意:
「シートの追加」ボタンでマクロを使っていますので、「有効化」の確認です。有効化していない他のファイルでは、同様にセキュリティの警告が表示されますので、有効化願います。
「シートの追加」をクリック
「シートの追加」をクリックすると、新しいシート(new_sheet(2))が作成されます。
有給休暇管理表の作成
社員番号の入力
社員番号を入力すると、入力された内容でシート名が置き換わります。
氏名の入力
氏名を入力すると、入力された氏名がシート名に追加されます。
入社日の入力
入社日を西暦で入力します。(例:2015/7/1というように入力して下さい。)
入社日を入力すると、ヘッダー部では、勤続月数、勤続年数が自動表示され、明細部では有給発生日、勤続勤務年数が22年分自動表示されます。
※ここでは、平成28年1月1日から令和19年1月1日まで表示されます。
注意:
勤続月数、勤続年数は、今日の日付から入社日までの経過月数で計算しています。有給休暇の計算は入社日で行いますので、勤続月数・勤続年数は関係しません。
週労働日数を入力
本阿弥光悦さんは、正社員として週5日の勤務となりますので、5と入力します。
週労働日数を入力すると、明細部が自動で全て埋まります。
サンプルシートの削除
本阿弥光悦さんの「有給休暇管理表」のシートが出来ましたので、サンプルシートは、削除します。
15029小野小町さんのシートが削除されました。
これで、本阿弥光悦さんの有給休暇管理表の作成が完了しましたので、後は毎月の給与計算時に、消化日を入力する「有給休暇管理表の更新(月次)」となります。
有給休暇管理表の更新(月次)
更新の為の準備
有給休暇申請書の準備
給与計算の為に「出勤簿」と共に提出された「有給休暇申請書」を用意します。
有給休暇管理表の起動
「有給休暇管理表.xlms」のクリック
「有給休暇管理表.xlms」を起動します。
注意:ここでは、マイドキュメントの「有給休暇の管理」フォルダに格納しています。
更新対象の選択
「有給休暇管理表」は、シートを社員番号順に並べておくとすぐに見つけられて便利です。
留意:
左端下部で右クリックすると、全てのシートが表示されますので、一発で該当のシートを見つけられます。
有給休暇の更新
ここでは、令和3年1月度給与(2月15日支給)計算時の本阿弥光悦さんと、小野小町さんを例として、有給休暇管理表の更新の仕方を説明します。会社の給与の締めが末締めの翌15日払いとなっていますので、提出される有給休暇申請書は、令和3年1月度分となります。(1月度に有給を取得した日)
本阿弥光悦さんのケース
シート(有給休暇管理表)の選択
本阿弥光悦さんのシートを選択して表示します。現在(令和3年2月15日)、有給休暇の残は、7.5日となっています。期首(令和2年4月1日)時点で19.5日あった有給休暇は、令和2年12月31日までに12日間を消化して、残り7.5日となっています。
注意:
基準日が4月1日の為、期首は令和2年4月1日で、期末は令和3年3月31日となります。
有給休暇申請書の確認
本阿弥光悦さんは、1月度(令和3年1月1日から令和3年1月31日)は、3日間の有給休暇を取得しています。つまり、1月度の1ヶ月間の消化日数が3日ということです。
シート(有給休暇管理表)の更新
本阿弥光悦さんのシートの時季欄に消化した日付(1月1日、1月11日、1月31日)を「全休」欄に入力すると、全休の11日が14日となり、消化日数は15日となりました。
給与明細書の有給残と突合せ
給与計算後に、給与明細書を印刷して、更新した「有給休暇管理表」の期末残高が、給与明細書の「当月有給残」と一致するかを確認します。
注意:
手順としては、給与計算時に、有給消化日を入力して更新された有給休暇管理表の数値で給与明細書に有給残を印字する様にしていますので、入力ミス以外は間違えはありませんが、突き合わせを行い、確認をおこなっています。
小野小町さんのケース
シート(有給休暇管理表)の選択
小野小町さんのシートを選択して表示します。現在(令和3年2月15日)、有給休暇の残は、12.5日となっています。期首(令和2年3月15日)時点で12.5日あった有給休暇は、令和2年12月31日までに全く有給を消化していない為、そのまま12.5日となっています。
注意:
基準日が3月15日の為、期首は令和2年3月15日で、期末は令和3年3月14日となります。
有給休暇申請書の確認
小野小町さんは、1月度(令和3年1月1日から令和3年1月31日)は、半日(0.5日間)の有給休暇を取得しています。つまり、1月度の1ヶ月間の消化日数が0.5日ということです。
シート(有給休暇管理表)の更新
小野小町さんのシートの時季欄に消化した日付(1月8日)を半休欄に入力します。すると、半休として0.5が加算されて、消化日数は0.5となります。
給与明細書の有給残と突合せ
給与計算後に、給与明細書を印刷して、更新した「有給休暇管理表」の期末残高が、給与明細書の「当月有給残」と一致するかを確認します。
注意:
手順としては、給与計算時に、有給消化日を入力して更新された有給休暇管理表の数値で給与明細書に有給残を印字する様にしていますので、入力ミス以外は間違えはありませんが、突き合わせを行い、確認をおこなっています。
有給休暇管理表の運用
基準日の統一
年次有給休暇の付与については、法律で規定よりも「遅いタイミング」や「少ない日数」での付与はできませんが、中途採用が増加し、入社日の各人により異なるケースが増え従業員ごとに細かな管理を毎年行うとなると、煩雑でミスが発生します。そこで、初回のみ原則通り、「入社6ヶ月後」として、2回目以降は、直近の「4月1日」に付与して、以降、毎年同じように「4月1日」に付与していく方法で簡素化します。
有給発生日(基準日)の変更
ここでは、岡林宏子さんを例として解説します。岡林さんは、平成28年5月1日に正社員として入社されましたので、最初の有給休暇の付与は6ヶ月後の平成28年11月1日となります。そして、その1年後(18ヶ月目)に11日が付与され、その後は1年ごとに有給休暇が付与されます。そこで毎年の有給付与を4月に統一する為、18ヶ月目の平成29年11月1日を早めて、18ヶ月経過したと見做して、平成29年4月1日に付与することとします。
注意:
18ヶ月目の有給発生日には、関数が設定されていますが、関数を消して直接、日付を入力します。
有給発生日の直接入力
関数が設定されている上から「2017/4/1」と入力します。
日付が入力されると、平成29年4月1日以降の有給発生日が自動的に全て4月1日に変わります。
以上で、毎年の基準日を4月1日に統一できました。よって、この後は、有給休暇管理表に記載された有給発生日に、「付与日数」に記載された有給休暇を付与します。
留意:
管理を楽にする為に、有給付与を4月に統一していますので、個人毎に管理するのであれば、統一する必要はありません。
勤務形態の変更
パートから正社員へ
沢田麻衣子さんは、平成27年4月1日、週4日のパートタイマーとして入社されましたが、平成29年10月1日より正社員となりましたので、週5日の労働日数となりました。よって、平成30年4月1日より週5日勤務に変更となります。
週労働日数の変更(4日から5日)
有給発生日が平成30年04月01日(42ヶ月目)となっている行の①週労働日数を直接に、4から5と変更します。(関数が設定されていますが、上書きして消します。)
ヘッダーの週労働日数の変更
週4日の勤務を週5日に、ヘッダー部の週労働日数を変更しなければなりませんが、この変更には、変更する順番があります。(関数の設定を消していますので)
先頭行の週労働日数の変更
ヘッダーの週労働日数の変更を行なうと、明細の週労働日数が関数により自動で変更されますので関数を消すために、まず先頭行の週労働日数を4と手入力します。
ヘッダーの週労働日数の変更
次に、関数が消えましたので、ヘッダーの週労働日数を最新に書き換えます。
正社員からパートへ
看護師の石田亜由美さんは、平成27年12月1日に正社員として入社されましたが、平成29年1月から産休・育休を取得、その後職場に復帰されましたが、小さなお子さんの面倒を見る為、平成30年9月1日より正社員から週3日勤務のパートタイマーへ変更することととなりました。
週労働日数の変更(5日から3日)
有給発生日が令和01年06月01日(42ヶ月目)となっている行の①週労働日数を直接、5から3と変更します。(関数が設定されていますが、上書きして消します。)
ヘッダーの週労働日数の変更
週3日の勤務を週5日に、ヘッダー部の週労働日数を変更しなければなりませんが、この変更には、変更する順番があります。(関数の設定を消していますので)
先頭行の週労働日数の変更
ヘッダーの週労働日数の変更を行なうと、明細の週労働日数が関数により自動で変更されますので関数を消すために、まず先頭行の週労働日数を5と手入力します。
ヘッダーの週労働日数の変更
関数が消えましたので、ヘッダーの週労働日数を最新に書き換えます。
有給休暇管理表の保管
有給休暇管理表の印刷
毎月、給与計算の為に提出された「有給休暇申請書」と当該「有給休暇申請書」によって更新された「有給休暇管理表」は印刷して、個人毎にファイルに保管します。ここでは、更新された「本阿弥光悦」さんと、「小野小町」さんの有給休暇管理表のシートを印刷します。
印刷のページ指定
シートは、明細が21年6ヶ月分(入社日から)ありますので、印刷は2ページに亘ります。1ページに10年6ヶ月印刷されますので、平成23年以前に入社された方は、2ページの印刷が必要ですが、平成24年以降に入社された方は、まだ2ページ目は必要ありませんので、個人毎に印刷の範囲は異なります。つきましては、印刷のページ指定で選択して下さい。
印刷の調整
印刷のポイント(行の高さ、列の幅etc)は使用するプリンタにより異なりますので、例えば印刷が1ページをはみだしたり等が発生した場合は、拡大/縮小や余白等を変更して、適切な印刷となる様に調整願います。
有給休暇管理表の保管
印刷した更新済みの「有給休暇管理表」は、「有給休暇申請書」と共に個人毎に保管します。
留意:
作成が義務付けられている「年次有給休暇管理簿」は、紙媒体である必要はなく、印刷できる状態で、あればパソコンで作成・保存しても問題はありません。が、「有給休暇申請書」の入力ミス確認の為、原紙データとして保管しますので、その際に一緒に保管しています。