「スキル評価シート(事業管理)」は、厚生労働省が公開している職業能力評価基準(在宅介護業)ををデータベースとして取り入れ、人材育成・人事評価ツールとして開発した実績のあるチェック形式のExcelテンプレートです。Excelテンプレートの実際の運用は、スタッフ全員がパソコンを持っていることは少ない為、直接Excelテンプレートで運用することは少なく、該当のExcelテンプレートの原紙を人数分、紙に印刷した後、評価対象者に配布して、配布されたペーパー(紙)の評価シートに本人評価や上司評価を書き入れて、それを回収して集計しているというのが実情です。そこでExcelテンプレートをペーパーバックという紙の冊子として作成したのが、「スキル評価シート(事業管理)兼利用手引き書」です。評価の為に、Excelテンプレートから白紙の評価シートを人数分印刷するという準備が必要なく、人数分のペーパーバックを配布して回収するだけで評価を行うことができます。
ペーパーバックでは、評価方法や採点方法なども記載していますので、ペーパーバックだけで評価を完結できますが、Excelテンプレートと併せてご利用頂くことで、評価結果をデータとして残すことができ、さらに効果的で効率的な人材育成・人事評価を実現できます。ここではExcelテンプレートとペーパーバックの構成を対比させながら、ペーパーバックでの運用方法について詳しく解説をします。
注意:
ここでは管理者向けの「スキル評価シート(事業管理)」のペーパーバックをご紹介していますが、介護スタッフ向けのスキル評価シート(通所介護)やスキル評価シート(訪問介護)については扱っていません。介護スタッフ向けのスキル評価シートにつきましては、「スキル評価シート(通所介護)」やスキル評価シート(訪問介護)のペーパーバックを参照願います。
スキル評価シート(事業管理)のペーパーバックは、以下のamazonサイトよりご購入頂けます。
ペーパーバックの構成
「スキル評価シート(事業管理)」のペーパーバックの運用について解説する前に、Excelテンプレートの構成と、ペーパーバックの構成について確認します。
Excelテンプレートの構成
管理者向けのスキル評価シートとして「介護サービス(事業管理)」の職種では、管理者向けにレベル毎(L3,L4)に2種類のシートがあります。
ここではExcelテンプレートの2種類のテンプレートの内、「スキル評価シート(事業管理L4_管理者)」、つまり管理者用としてL4(レベル4)の評価シートで、ペーパーバックと比較してみます。
注意:
介護スタッフ向けのシートは、「通所介護サービス」や「訪問介護サービス」のペーバーバックとなります。
Excelテンプレートのブック構成
Excelテンプレートのシート構成
ペーパーバックの構成
「介護サービス_事業管理」の職種の管理者向けの2種類のシートはペーパーバックとしては、1冊に全て掲載しています。1冊(冊子)の中に全てのレベルのシートを記載していますので、自分のレベルに該当するシートを選択して記入することとなります。
目次の確認
管理者用として、L4(レベル4)のシートは、以下の目次を枠で囲んだページとなります。
注意:Excelテンプレートで言う「原紙」が記載されています。
入力シート(基本情報)
p.13の入力シート(基本情報)を記入します。入力シート(基本情報)は、L3,L4のレベルで共通となります。表紙には評価年度、上期・下期、本人氏名及び本人所属を記入しましたが、こちらには、センシティブな情報として、勤務形態、入社年月日、上司氏名、等級、号棒などを記載します。
入力シート(共通能力)
p17の「入力シート(事業管理共通①と、p19の「入力シート(事業管理共通②)となります。入力シート(共通能力)は2ページとなります。
入力シート(選択能力)
入力シート(選択能力)は、レベル(L3,L4)によってシートがわかれていますので、対象のレベルをシートを選択します。入力シート(選択能力)は、「事業管理」の1種類となっています。
評価結果シート
評価結果シートは、レベル(L3,L4)毎の評価結果を集計するシートとなる為、レベルによってシートが異なりますので、対象の評価結果シートを選択して、評価結果を集計して頂きます。
注意:
L3,L4のいづれか該当の評価結果シートを選択します。ここではL4のシートを選択します。
コミュニケーションシート
コミュニケーションシートは、L3,L4のレベルで共通となります。
ペーパーバック運用の流れ
運用フローチャート
評価シートの配布
ペーパーバックの用意
通所介護や訪問介護の事業所のスキル評価を実施する場合は、管理者用と介護スタッフ用の2種類のペーパーバックが必要です。
例えば管理者が1名で介護スタッフが3名の通所介護事業所の場合は、次のペーパーバックをご用意下さい。
- 管理者用のペーパーバック
スキル評価シート(介護サービス_事業管理)→1冊 - 介護スタッフ用のペーパーバック
スキル評価シート(通所介護)→3冊
評価シートの配布
ここでは、管理者用として「スキル評価シート(事業管理)」のペーパーバックについて解説します。人事又は事務で用意したペーパーバックを、評価対象の部署の管理者へ配布します。ここでは、管理者の上司として社長に管理者用のペーパーバックを配布します。人事又は事務からペーパーバックを受け取った上司(社長)は、納期を指示して介護スタッフ(ここでは、上司)へ配布します。
ペーパーバックを配布する際は、表紙に評価年度、上期・下期、本人氏名及び本人所属を記入した後、配布します。
本人による評価
上司(社長)からペーパーバックを受け取った本人(静根裕典)は、ペーパーバックのシートの中から自分の該当するレベル(L3,L4)を選択して本人評価を実施します。
基本情報の記入
入力シート(基本情報)
p.13の入力シート(基本情報)を記入します。入力シート(基本情報)は、L3,L4のレベルで共通となります。こちらには、センシティブな情報として、勤務形態、入社年月日、上司氏名、等級、号棒などを記載します。
本人評価のチェック
入力シート(共通能力)のチェック
p25とp27の入力シート(共通能力)で本人評価(自己評価)を行います。入力シート(共通能力)は、L3,L4のレベルで共通となります。入力シート(共通能力)は2ページとなります。
入力シート(選択能力)のチェック
入力シート(選択能力)は、「事業管理」の1種類のみですが、L4(レベル4)は3ページあります。
注意:
「事業管理」のL3は、p33とp35の2ページですが、L4は、p39とp41とp43の3ページあります。
本人評価の採点
本人評価が済みましたら、上司評価を行って頂くために、ペーパーバックを上司へ渡して゛上司評価゛をお願いしますが、その前に評価の自己採点を行います。採点方法については、入力シート(共通能力)や入力シート(選択能力)の前のページに解説を記載していますので、解説に従って採点を行って下さい。
留意:
本人評価及び上司評価では、評価に専念して頂き、該当のオプションボタンに✔又は塗りつぶすのみとして、採点はペーパーバックを回収して、人事又は事務で行う流れでも良いでしょう
入力シート(共通能力)の採点
入力シート(選択能力)の採点
入力シート(事業管理L4_選択)を採点します。
コミュニケーションシートの記入
p.57のコミュニケーションシート(事業管理)を記入します。コミュニションシートは、L3,L4のレベルで共通となります。フィードバック面談時までに「課題特定・目標設定、実績確認」欄を記入します。
留意:
コミュニケーションシートの運用につきましては各会社の方で決めて頂きます。
CM(コミュニケーション)シートの運用については、課題の抽出や目標設定のやり方等について教育が必要な場合は、教育の後に運用されることをお薦めします。
上司による評価
本人(静根裕典)から本人評価済みのペーパーバックを返却された上司(社長)は、本人評価を参照しながら、上司評価と採点を実施します。
上司評価のチェック
本人評価の済んだペーパーバックを受け取った上司(社長)は、上司評価を行うとともに採点を行います。
入力シート(共通能力)のチェック
p25とp27の入力シート(共通能力)で上司評価を行います。入力シート(共通能力)は2ページとなります。
入力シート(選択能力)のチェック
入力シート(選択能力)は、「事業管理」の1種類のみですが、L4(レベル4)は3ページあります。
注意:
「事業管理」のL3は、p33とp35の2ページですが、L4は、p39とp41とp43の3ページあります。
上司評価の採点
上司評価が済みましたら、人事又は事務へペーパーバックを返却して評価結果の集計をお願いしますが、その前に評価の採点を行います。採点方法については、入力シート(共通能力)や入力シート(選択能力)の前のページに解説を記載していますので、解説に従って採点を行って下さい。
留意:
本人評価及び上司評価では、評価に専念して頂き、該当のオプションボタンに✔又は塗りつぶすのみとして、採点はペーパーバックを回収して、人事又は事務で行う流れでも良いでしょう
入力シート(共通能力)の採点
入力シート(選択能力)の採点
入力シート(事業管理L4_選択)を採点します。
人事による評価結果の集計
本人評価及び上司評価の済んだペーパーバックを回収した人事又は事務では、評価結果を評価結果シートに記入して採点を行います。
評価結果の集計
ペーパーバックを回収した人事又は事務では、評価結果を評価結果シートに記入して採点を行います。評価結果シートは、レベルによって記入するシートがわかれていますので、該当の評価結果シートを選択して記入する様に注意願います。ここでは、p53の「評価結果シート(事業管理L4)」のシートとなります。
達成率、SAB評価の記入
評価の転記
各入力シートから「本人評価」「上司評価」「最終評価」を転記します。
達成率、評価の記入
以下の①÷②で達成率が算出されます。ここでは達成率=88.46%なので、「S」となります。
留意:
集計方法及び達成率、評価の計算方法につきましては、「評価結果シート」の前ページに記載しております。(ここではp52)
レベル判定
管理者用のL4(レベル4)の評価シートでのレベル判定結果を記入します。
○、△、×の数の転記
業界標準のレベル認定の判定に必要な○、△、×の数を各シートより転記します。
レベル判定
上司評価で、「×」がないことと、「○」の割合が7割を超えていることを条件として判定します。ここでは、上司評価で「×」が1つもなく、○の割合が7割を超えていますので、「L4認定」と記入します。